ロボット技術で社会を支える
世界各国で起こっているテロ等の政情不安,インバウンドの盛り上がりやオリンピック等の世界的なイベント,あるいは就労を目的とする多数の外国人の流入など,様々な要因によって脅かされる安全をどう守り,安心な社会を実現するのかが課題になっています.
しかし,少子高齢化による慢性的な人手不足は,向こう数十年以上も解決しないと考えられ,日本を始めとした先進各国では,多くの人的資源を投入して解決しようとする従来の考え方では対処ができない構造的な問題に直面しています.
このような構造的な人手不足問題に対処する切り札として,ロボットの活用が考えられています.人がやらなくても良い仕事,人がやるべきではない仕事を切り出し,その部分をロボットに任せて自動化するのです.これは工場では数十年も前から行われてきたことですが,工場の外では,技術的な難しさから実現していませんでした.
市場そのものを作り出す
問題は技術的な難しさだけではありません.そもそも社会システムがすべて人を単位とした構造でなりたっているので,既存のシステムにロボットを割り込ませることは容易ではありません.
技術的な問題を解決することはもちろんですが,それ以外にも,上記のような社会システムの問題なども含めて解決しなければ社会の変革は望めません.このように現在はまだ存在していない”市場そのもの”を作り出すことが重要です.これを行うことは非常にリスクが高く,大学はもちろんのこと,既存の大企業にとっても困難なことです.
ここにスタートアップ企業の出番があります.スタートアップとは,ごく限られた少数精鋭による高度で超高速な技術開発と俊敏な経営判断により,わずかなチャンスに切り込んで市場を開くことを使命とした特別な会社組織です.